12Vカブ90エンジンをノーマル風に12Vモンキーに載せよう

現在最も入手が簡単で作業も楽な12Vカブ90エンジン。
安全で楽々90km/hの世界!…と、そう簡単にいくだろうか?



2008年6月 改訂版

純正流用90CCモンキー編」も合わせて読んでください。

12Vゴリラに載せるのもほぼ同じ作業。
記事からいろいろ予想しよう。

※6Vポイント車に載せるのはけっこう面倒でお金もかなりかかる。
ポイント車にCDIエンジン搭載編を理解できる人ならいいでしょうけど
まあ簡単に言うと6Vポイント車ではおすすめしませぬ。



モンキー以外の車両に載せる事も一応考えて書いてるつもり。

特にsolo乗りの人がカブ90エンジン搭載が好きそうだからな。



【カブ90エンジン】
各部品の内容的にHA02-16〜含めそれ以降のエンジンがいいですよ。
キャブ仕様の最終モデルまで基本部品がほぼ同じなので。

ヘッドのマニホールド取り付けの穴の大きさは直径は18ミリだよ。
ギアはN-1-2-3で、停止時のみ3速からニュートラルに入れる事ができる。

90CCのエンジンは発熱量も大きいし、ここ10年のは鉄がいいものじゃないので
手荒く使われた物はシリンダーのフィンがボロボロサクサクに崩れ落ちている物も。

最近は90CCに限らず、程度のいいカブ系エンジンはあまり無いから
安価で手に入ったら超ラッキー。



さて



【まず知っておくこと】
カブ90のエンジンは、50CC/70CCエンジンよりもシリンダーが6ミリ長い。
そのためノーマルマフラーは付かないし、粗悪な社外品のマフラーでは
固定するべき場所までステーの穴が届かない場合がある。

今回の作例のクリッピングポイントマフラーでは大丈夫だが(7本ほどで試しました)
それ以外のマフラーでは、固定の自由度が高い後付けステー式の物がいいだろう。




【フロントフェンダーに注意】
※社外フォーク、社外フェンダーにしてる人は読まなくていい。


画像のはフェンダーの先端とシリンダーヘッドが接触していないが
ほとんどの車両は普通接触する。

これはフレームの製造時の誤差が原因なのだ。
他のフェンダーや他のノーマルフォークに交換してもだめ。

画像のはたまたま接触しないが、それでもちょっと危ない。
振動や風圧でフェンダーがたわんだりするかもしれないからね。


6V時代の縦フィンタイプのカバーを用意して加工する。
できれば中古のぼろっちいのがいいね。 新品もったいないしね。


新品でもそんな高価な物でもないのでガリガリいきましょう。
棒ヤスリと紙ヤスリの100番程度でもここまでできますよ。

●ガスケット 12391-GB2-003
●この縦フィンカバー 12301-035-000



製造誤差の比較を新品フレームと新品足回りでしてみたよ

上のは完全に接触するから 加工したトップカバーを装着。

真ん中のはギリギリだ。 隙間が3ミリぐらいしか無い。
走行中の振動や風圧でフェンダーの先端が接触するかもしれないぞ。
削ったトップカバーにしたほうがいいね。

下のは余裕たっぷり。 これは削らなくてもいい。
でも見方を変えると、製造誤差が大きいフレームなわけだ。
喜ぶべきか悲しむべきか。


もう一度言うが、純正90CCエンジンを搭載すれば
フェンダーが接触するか隙間2ミリ程度の超ギリギリが普通なのだ。


フレームのエンジンマウントには若干のガタがあるので
固定時にちょびっとエンジンが前後するという要素もあるけど
がたつきを利用してエンジン位置をずらせるのは最大でも1〜2ミリ程度。

社外マフラーや、今回みたいに
6ミリ長いエンジンだと関係無い話なんだけど

ノーマルエンジンを搭載したら
「あれ、ノーマルマフラーが付きにくいな…エアクリの裏の所が」
という経験がある人いるだろう?

あれはちょびっとエンジンがずれて固定されてるんだ。

もちろんこれにもフレーム個体ごとに製造誤差があって、
エンジンとノーマルマフラーの位置合わせをしながらの
エンジンマウントボルト締め付け作業が不要の車両もある。


でもこのフェンダー接触問題は
エンジン位置ずらしで完全解決できるお話じゃございませぬ。
危険なので、トップカバーは削った物を使う事をおすすめする。


タイカブ腰上の100CC仕様でも話は同じ。


フェンダーの穴を加工して付ける人もいるけどもトップカバーの方が値段が安い。
もうボロいフェンダーだから加工しちゃってもいいやって人はいいけど、
フェンダーの位置ずらしは思った以上にスタイルが崩れちゃうんだよ。



キタコからノーマル風のデカエンジン用フェンダーが販売されております
硬いABS樹脂製 黒とメッキがある 6500円くらい …たけえ

メッキフェンダーも樹脂製。  金属製じゃありませぬ。
そのままボルト留めしたらもちろんメキメキ割れます。
真ん中の「R&Pの外装用のスペーサーワッシャー」を使おう 61101-441-000
これで安全に固定できますぜ。

厚さもぴったり。 今回は穴の拡大も必要無かった。


他の2個は「小ネタ3」を参照。 こういうスペーサーワッシャーの情報はもっと欲しいな。
みんなも良さそうな寸法の物を見つけたら報告してね。 








エンジンを降ろすのに特別難しい事は無いんだけど
初めての人は誰かにサポートしてもらうべし。
ロープを吊るせる環境の人はハンドルを吊ってモンキーを立たせよう。


サイドスタンドスイッチをフレームのツメから外すのを忘れがちなので注意。
ステップごとエンジンを降ろす場合「きゃあああああああ」という事になるのでね。
エンジンがこの線だけでブラーンブラーン いろんな所がブチブチブチブチ


床には段ボールなどを2重に広く敷き、エンジンが落下して傷付いたりしないように。
うっかりモンキーが倒れてしまっても被害は最小限になるぞ。

古雑誌なんかもクッションとして用意しておくのもいい。



そして全てのパーツは地面に直に置かない。 傷が付いちゃうでしょ?
段ボールや雑誌の上に置きましょうね。

下に何か敷く!パーツは直に置かない!これ守るだけで
お前の作業レベルは5ぐらい上がったも同然  (`・ω・´)9m ビシッ



12Vカブ90のジェネレーターのカプラは、12Vモンキーにそのまま付く。
もしも違った場合は割り込み変換ハーネスを作ろう。
オリジナル配線を加工するのはもったいないからね。

それが面倒なら元のエンジンのジェネレーター一式をカブ90エンジンに移植するという手もある。

フライホイールのFマークとTマークの間隔には12Vモンキーとカブ90に違いは無い。
画像はモンキーのデンソー製ジェネレーター一式。 今回のカブ90のジェネレーター一式はミツバ製。

12Vモンキーには両メーカーのが同時採用されている。
どちらも物は違うが性能は同じ。 どっちが付いてるかは運しだい。
※このへんのジェネレーターの話は聞き流してくれ。 作業には特に関係無いから。


そんなわけでエンジン搭載には何も難しい事はございませぬ。



【キャブレター周辺】
純正エンジンの力を出すだけなんだから、純正の90CC用キャブでいいんですよ。
同じ90CCエンジンである12V/CD90のPB16キャブの下半分を交換した
「小尻仕様PB16」  …最近はコアなマニアの間で流行ってきております。

キャブをこの仕様にしている奴にはうかつに話しかけないほうがいい。
モンキーに対してどんな歪んだ思想を持っているかわからんぞ。



キャブレター周辺の仕様は「純正流用90CCモンキー編」と同じなので
詳しくはそっちを見てね。

他にも何通りかマニホールドの仕様はあったんだが、
少々部品代がかかるけども無加工でスッキリ仕上がるのはこの仕様。




【12Vのジェネレーターカバーでも使えるウエストイーグル製モンキー用オフセットシーソーペダル】
つま先のゴムが専用品なのでホンダ純正に交換できないのが惜しい商品。
12VのCD90エンジン搭載の時も役に立ちますな。

だがメッキのくせにあっという間にめちゃくちゃ錆びる。
使う前に全体にクリアーを塗っておくといいだろう。




【さらにスイッチボックスまでこだわりたい人は】

とりあえず元のモンキー用スイッチボックスのクラッチレバーを外せばいいだけなのだが
「レバーホルダーが付いてるとみっともないなあ」 という人もいるだろう。

画像はソロ用スイッチボックス  5500円ぐらいする。

12Vの末期のシャリー12Vダックス、ソロなどのスイッチボックスは
12Vモンキーのスイッチボックスのレバーホルダー無しの形状。 スイッチ類は共通だが
配線は別物なので下半分を入れ替えて2個1するか、ハーネスを巻き直して使う。


12Vモンキーのスイッチボックスの配線図をここにも持ってきた。
スイッチボックスのハーネスは根元のほうが内部で接着剤で固定されているので
保護チューブはスポンとは抜けません。


スイッチボックス内部のネジは小さく、ネジ穴が非常にもろい。
初めてネジをゆるめただけなのに、その時点でナメるという事もよくあるので
ハーネス改造には充分に注意と覚悟をして作業してくれ。


12Vモンキータイプのスイッチボックスは、中身はプラ製部品メインなのでとてももろい。
ホーンボタンやウインカースイッチはジャンクから取って半田付けすれば直せるが

例えばハイ/ロー切り替えスイッチは構造上、交換は不可能だと思っていい。
ツメと接着剤でくっついているので画像のようにツマミは外せない。
この画像のように分解することはできない。これはもう再起不能だ。

同じジャンクから移植できる構造の金具やスイッチ類はともかく、
交換できない中身の構成パーツだけの新品の入手経路は無い。

スイッチボックスの製造工場を突き止めて泥棒にでも入るか、
作業員に賄賂でも渡してパーツをこっそり横流しして売ってもらうとかしかない。
きっとそこにはあるんだ…組み立て前の構成部品の新品が並ぶ理想郷が…。
マニアは必ず一度はこういうのを考えるものだ。



■追記■

シフトアップからレバーホルダーの無い純正風スイッチボックスが発売されました。
905030-03(シフトアップの部品番号)

本来はシフトアップの改造クラッチキットのために開発されたのでミラーホルダーもありません。
12Vモンキー後期用をもとにしているので、ホーン用コードが一体型。
※12Vモンキー/ゴリラ全てにポン付け可能。 配線の長さも純正同様です。

金型から中身までシフトアップの完全自社開発なので、
純正の配線を変えて売っているわけではありませぬ。
恐ろしい開発力だなシフトアップ・・・。

ソロやシャリーのスイッチボックスを張り直して改造するのは
材料を揃えるのもけっこうお金がかかるし、
純正スイッチボックスの中身は繊細で改修中に壊すリスクもあるので、
普通の人には敷居がとても高かったけど、

お手軽に遠心用スイッチボックスを手に入れたいならこれだね。
あとはお好みの社外ミラーホルダーを付けましょう。




できあがり
遠心クラッチのモンキーが現代で再販されたらこんな感じ?


■結果■

最高速度73km/h(8500回転)  Fスプロケ15 Rスプロケ25

半年かけて3台を何度も何度も色々調整したが、
どれも80km/h越えは不可能だった。

もともとの12V/カブ90も思った以上にパワフルなバイクでは無いし
これでも充分にエンジンは実力を出し切っていると言えると思う。
ノーマルのカブ90も最高速度は80km/h前後だからな。

実際乗ってみればわかるが、このスプロケットの組み合わせで
12V/カブ90エンジンの乗り味に近くできる。

8インチモンキーに他の70/90/100CCエンジンを載せると
最高速が10キロぐらい落ちるのが法則のようだ。

もしも 「そんな事は無いぞ 俺のはもっと速い」
という人は仕様を報告してくれ。

管理人の他にほぼ似たような仕様の人を偶然見つけて
インタビューしてみたが、やっぱり乗り味は一緒のようでした。

ちなみにCDIの問題ではありません。
リミッターとかそういうお洒落な機能はモンキーCDIにはありませぬ。
一応カブ90のCDIも配線加工で実験的に付けてみたが走りは何も違わない。


最高速は73km/h程度だが加速性能はノーマルの1.25倍はある感じで
一般道の流れには一応付いていけないこともない。
だが3速から65km/hからの伸びはいまいち。
街での巡航速度もそんなもんだと思ってくれ。



…乗っていてあまりおもしろくない…



12Vカブ90に乗ってる人はわかると思うが
独特の「エンジンの眠たさと走り」がさらに倍になった感じなのですよ。

遠心クラッチが面白くないんじゃなくて なんかこう
6Vの遠心70の圧倒的パワーで走っていく感じではないのですよ。

※6Vのポイント時代の70CCエンジンはもうとんでもなく面白いです。
最高速度75km/hまで楽々加速するので、一般道の流れにも余裕。

それに比べて12Vは90CCでこれなんだから、
12V/カブ70エンジンだとどうなるのか不安だな。


クラッチが苦手な人用か、片手運転ができるようになる…
というぐらいのメリットしか無いので
モンキーでやるのはあまり面白くないね。

そんなわけで、あんまりおすすめいたしませぬ。


純正流用90CC仕様」の方が圧倒的に面白い。



【12V/カブ90 エンジン性能表】
変速比1速 2.833
変速比2速 1.647
変速比3速 1.045
1次減速比 4.058
総排気量(cm3) 85
内径×行程(mm) 47.0×49.5
圧縮比 9.1
最高出力(kW[PS]/rpm) 5.1[7.0]/7,000
最大トルク(N・m[kg・m]/rpm) 7.7[0.79]/5,500
※性能はエンジンをスーパーカブ90の車体に搭載時。


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