原付板外伝 NS50F その4
先に言うと、フロントフォークの整備に塗装、ホイールの交換だの
前足の整備だけでもう5万円近くお金がかかってる。
完成する頃には他のNS50F程度がそこそこ良い物が買える額になりそうだが
そういう問題ではない。 意地ですよ意地。
主要な新品部品が手に入るうちのレストアなんて平和なもんですよ ええ。
フォークのダストシールがズタズタに。 中にはオイルシールがあって
フォーク内部に水が入る事はまず無いが、クリップなどは錆び錆びだろう。
ここもNS50Fの劣化するお約束箇所。 塗装もブクブクに浮き上がり、
ガリガリひっかくとアルミの腐食した白い粉がモワモワと。
構造を理解する
すっかり錆びているボルト類はどんどん純正新品に交換しよう。
まずホイールを取り外す前に、このボルトを左右とも軽くゆるめておくと作業が楽に。
六角レンチのボルトが中にある。
サービスマニュアルを読む
こら こんな作業したら傷が付くじゃねーか!
そんなんじゃ傷が付くので、木材をノコギリで切ってクサビのように叩き込む。
こうすれば無傷で取れますぜ。
今回フォークの反発力に問題は無いが、せっかくなので中のオイルシールも交換する。
塗装もするので全分解してしまったほうが塗装剥がしも楽だしね。
セットリングを小さいマイナスドライバーでずらして外し、分解する。
ビヨーンと何か飛び出たりはしないので安心を。
このオイルシールがなかなか取れないんだよね。
専門工具のオイルシールプーラーがあれば安全で楽なのだが
まず角材をつっこんでテコの原理で引っこ抜いてみよう。
木なのでこじってもアルミに傷が付く事は無い。
プライヤーなどでシールを抜こうにも、はじっこがちぎれるだけ。
この手の作業をやってみるとわかるが、
かなり厚く布を当ててもサービスマニュアルのようにドライバーなどでこじると
しっかり支点部分は凹む。 丸めたダンボールでも危険。
どうしても金属棒でこじるなら、支点にしっかりと
角材などを咬ませないといけない。
もしどうしても抜けなければ?
今回は塗装前提なので、バーナーでオイルシールを燃やしてしまいましょうね。
※内部は焦げているんじゃなくてススです。
このフォークは中に樹脂部品や、高熱で剥離するような物が
中に仕込まれていない構造だが、なるべくオイルシールだけをうまく炙る。
フォークオイルはそう簡単には引火しないが、
やる前にフォークオイルはパーツクリーナーで洗い流しておこう。
炙っているとだんだんと焼けて浮き上がってくる。
そこで角材でこじると簡単に奇麗に抜けてくれるぞ。
「なんだよ 丁寧にとか言いながらずいぶん荒業じゃねーか!」
と思うかもしれないが、場合によっては意外と有効で安全な手段なのだ
これはエンジン全分解時のオイルシール抜きにもかなり有効。
カブ系エンジンでは抜けにくいチェンジペダル根元のオイルシールなんかに効く。
※「オイルシール燃やし」は何も考えないでやると破損や事故になりかねないので
もしやる時は部品の構造をしっかり把握した上でやろうね。
事故防止に安全メガネとバケツに水を汲んでおこう。
管理人は専門工具も持っているのだが、こういう手もありますよと言うことで。
さて、今回はフロントフォークがあまりにもみすぼらしいので
塗装もしなければいけませぬ。
アルミ錆びで塗装がブクブク浮いている所はベリベリ剥げるくせに
錆びてない部分の塗装の頑固で硬いことといったらありゃしない。
外装の塗装のような粘りのある塗料ではなく薄く固い強靭な塗装のようだ。
剥離剤とワイヤーブラシでがんばるのもいいが、サンドブラストを使う事にする。
タンクなどの外装の塗装の「厚く粘りのある塗料」ではなく
「薄く硬い塗料」なので、管理人の家のヘボいブラスト設備でもみるみる剥げる。
しっかり脱脂して塗装はデイトナの2液ウレタンスプレーを塗る。 高級品だねえ。
1本で3回塗りはできるので、余りが充分なら小物でも塗りましょう。
下地はタミヤの金属模型用メタルプライマースプレーを塗った。
剥がれにくくなるのと、アルミに2液ウレタン塗料を直接塗った時に多発する
独特の「塗料はじき」を防いでくれる。
模型店や大きなデパートの玩具売り場にはまず置いてある。
あとは組み立てなのだが
もしもインナーのメッキに点錆びがある場合は
1200番〜2000番の耐水ペーパーで縦方向に磨き
しっかり点錆びを削ってツルツルにしよう。
そうしないと交換したオイルシールがすぐ傷んで無駄になってしまう。
フォークパイプのメッキは外装の飾りメッキとは違い、柔軟性がある粘りのあるメッキなので
ペーパーをかけても少し曇って輝きがやや落ちるだけでザリザリにはならない。
ピカールなどで仕上げるのもいいでしょう。
ホンダウルトラクッションオイル10号を152CCが規定量。
フォークの組み立て作業はやや経験が必要なので
初めての人は無理せずバイク屋に依頼しよう。
歪んでいたホイールも良い中古に交換。
元のタイヤがまだ使えるので移植。 ブレーキディスクも移植。
ディスクは限界が厚さ3.0ミリなので、もしもダメなら中古はまず期待できないので
少々高価だが新品を買おう。 ブレーキ関係に金を惜しむ奴は愚か者。
ここのオイルシールは薄いので木の棒でこじると簡単に抜けるので火計は必要はございませぬ。
※画像はオイルシールを付ける直前に撮影したもの。
フロントフォークを組む。 フロントフェンダーはホイールより先に付ける事。
フロントフォークの首部分はグリスも効いてて問題無いようなのでそのままに。
フェンダー内側のブラケットも欠品!ボロクソに錆びてなかったから良かったが。
ブレーキパッドも中身もがっちり整備しましょうね。
といっても管理人はディスクブレーキ整備が苦手なのでバイク屋にやってもらった。
NS50Fのハンドル幅から、転等するとキャリパー右下にガリ傷が付いちゃう。
でもこれは全然軽症な部類で、ひどいものは削れて穴が開いている物も。
これも高価な物ではあるがダメな場合は中古をアテにせずに新品を買ったほうがいい。
ディスクブレーキの整備は単純なドラムブレーキと違い、経験が必要なので
経験ゼロなら無理せずプロにまかせ見学させてもらうべし。
ほんの少し前までブレーキというのは
専門の資格を持った整備士がやらないといけなかったんだよ。
少なくとも管理人がレストアで部品探しをしていた半年間
まともな中古キャリパーなひとつもオークションに無かった。
ゴミがぼったくり価格ではいくらでもあったがね。
残念ながらマグナ50のキャリパーは別物。
もう一回言うがブレーキ整備の費用を惜しむ奴は愚か者。
エンジンがぶっ壊れてもその場でガリガリなって止まるか、
まあ運が悪ければ後輪がロックして転ぶかもしれんが
まるっきり止まれないでグシャってのは嫌だろう?
「バイクが故障して動かなくなる」のは大丈夫。
だが走っているものが止まらないってのは事故になる。
「カスタムにかける金はあっても安全にかける金は無いね」
といった感じのバイク乗りが多い。 自動車より危険な乗り物なんだからね。
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